永遠(とわ)に果てぬ愛



そして、1度出始めた涙は止まることを知らない。

せめてバレないようにと俯く。

そんなことしても、結局はバレてしまうことなのに。


気づいているであろう越智くんは、何も言わずに私の頭を撫で続けた。

そして、私が落ち着くのを待ってくれた。

それから、家まで送ってくれた。

歩きにくいっていうのもあって、手を繋いでくれた。

少しの時間だったけど、幸せな時間だった。

他愛もない話しをしながら。


たぶん、顔が赤くなっていたと思う。

頬が熱くなっていたから。



―――……そんな2人の姿を、離れたところから宝来乃愛が見ていた。

それを、少なくとも和奏は気づいていなかった……。




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