永遠(とわ)に果てぬ愛
お嬢様の考えていることは分からない。
自分のモノではないモノにすがって。
いつまでも、それがあるとは限らないのに。
「手が止まっているけど」
不意に、後ろから抱きしめられた。
夕食の準備をしていたはずなのに、あの2人の姿がちらついて、完全に手が止まっていた。
そこへ、帰って来た怜央に抱きしめられたらしい。
怜央が帰って来たのも気づかなかった。
「そんなにショックだった?あの2人が一緒にいることが」
怜央の言葉に、ビクッと体が震える。
そして、ゆっくりと振り向けば、怜央が困ったような複雑な表情をしていた。
その時、気づいた。
今のこの状況を、改めて把握したんだ。
「ご、ごめんなさい……」