永遠(とわ)に果てぬ愛



お嬢様の考えていることは分からない。

自分のモノではないモノにすがって。

いつまでも、それがあるとは限らないのに。



「手が止まっているけど」



不意に、後ろから抱きしめられた。

夕食の準備をしていたはずなのに、あの2人の姿がちらついて、完全に手が止まっていた。

そこへ、帰って来た怜央に抱きしめられたらしい。

怜央が帰って来たのも気づかなかった。



「そんなにショックだった?あの2人が一緒にいることが」



怜央の言葉に、ビクッと体が震える。

そして、ゆっくりと振り向けば、怜央が困ったような複雑な表情をしていた。


その時、気づいた。

今のこの状況を、改めて把握したんだ。



「ご、ごめんなさい……」




< 220 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop