永遠(とわ)に果てぬ愛
その相手は、宝来乃愛だった。
隣には、当然のように越智くんがいる。
「あ、水城。足、大丈夫か?」
私に気づいた越智くんは、さわやかにそう言う。
「あ、うん、大丈夫です……」
話しかけられて嬉しいはずなのに、複雑な気分だった。
しかも、その間ずっとあの子に見られているようだった。
「悠真くん、行こう」
「あ、そうだね。じゃあ、またね」
そう言って、私に手を振る。
私は、それを返す余裕なんてなかった。
なぜかあの子が、自慢げに笑っていたから。
理由が分からない。
もう、私に構う必要はなくなったんじゃないのか。
だって、私の隣にいる怜央に見向きもしなかった。