永遠(とわ)に果てぬ愛
ふと、隣を見る。
怜央は、あの2人の背中を見つめていた。
横顔からは、表情が読み取れない。
どういう想いで、2人を見つめているのだろう。
やっぱり、婚約者を取られて悔しいのだろうか。
だけど怜央は、あの子を“いらないもの”と吐き捨てた。
親が勝手に決めたものだと。
本当に気持ちはなかったのだろうか。
本物の婚約者が出てきてから、私の立ち位置は分からなくなった。
“手放すつもりはない”と言われたけど、それ以上のことは何も言われていない。
卒業後の結婚を条件に、怜央の家に来た。
キスはしている。
上だけ、服を剥ぎ取られたこともあった。
それでも、好きと言われた訳じゃない。
だから、不安なんだ。
本物の婚約者が現れたことが。