永遠(とわ)に果てぬ愛



ふと、隣を見る。

怜央は、あの2人の背中を見つめていた。

横顔からは、表情が読み取れない。


どういう想いで、2人を見つめているのだろう。

やっぱり、婚約者を取られて悔しいのだろうか。

だけど怜央は、あの子を“いらないもの”と吐き捨てた。

親が勝手に決めたものだと。

本当に気持ちはなかったのだろうか。


本物の婚約者が出てきてから、私の立ち位置は分からなくなった。

“手放すつもりはない”と言われたけど、それ以上のことは何も言われていない。


卒業後の結婚を条件に、怜央の家に来た。

キスはしている。

上だけ、服を剥ぎ取られたこともあった。

それでも、好きと言われた訳じゃない。

だから、不安なんだ。

本物の婚約者が現れたことが。




< 225 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop