永遠(とわ)に果てぬ愛
「まぁ、ゆっくり決めればいいよ。
アタシんちは大丈夫だから。
拓海がいると、兄貴が喜ぶよ」
莉奈には、一つ年上のお兄さんがいた。
今、大学生でよく拓海の面倒を見てくれていた。
男同士で出かけることも、多々あった。
「部屋も、拓海は兄貴のとこで。
和奏は、ここでじゅうぶんでしょ?」
そうにっこり言う莉奈には、もう頭が上がらない。
こういう友達が1人でもいて、本当に助かった。
誰もいなかったら、危うく路頭に迷うところだった。
「ごめんね。
とりあえず、2人で厄介になります」
「ごめんはなし。
困った時は、お互い様だから」
そんな言葉がありがたかった。