永遠(とわ)に果てぬ愛



だけど、そんな私の願いは簡単に崩れてしまう。

私は、ソレを目撃した場所から動けなかった。


なぜ、なぜ、なぜ……。


頭をフル回転させても分からない。

そのうち立っていられなくなり、崩れ落ちた。

それでも視線は、あの2人がいた場所からそらせないでいる。



「和奏っ」



走る音と息切れに混じって、莉奈の声も聞こえた。



「やっと見つけたっ。もうHR終わったよ。帰ろう」



そんな声も遠くに聞こえる。

他の足音も聞こえるようになって、それが放課後になったことを示していた。


ここは、あまり人が来ない場所。

誰かに見られることも、迷惑をかけることもない。

そうは言っても廊下。

誰かが通ることもあるかもしれない。




< 235 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop