永遠(とわ)に果てぬ愛



上手く舌が回らない。

あの光景を思い出すと、涙が溢れる。

声も出なくなる。

私の口から漏れるのは嗚咽だけ。


その声を聞いて、たまらなくなったのか。

莉奈も床に座り込み、抱きしめてきた。



「天羽のことなんかで泣かないで。
和奏はただ、好きな人のことで泣けばいいんだよ?」



背中をポンポンと叩きながら、莉奈が優しく言う。


私だって、何でこんなに涙が溢れるのか分からない。

好きなのは越智くん。

でも、その越智くんはあの子と付き合っている。

そんなあの子は、元々怜央の婚約者。

今回、その2人がキスしていた。

この3人が、どういう関係なのか分からない。




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