永遠(とわ)に果てぬ愛
見ていなかったせいで、一瞬逃げるのが遅れた。
あとわずか数十cmぐらいのところで逃げた。
あと少しで、唇が触れそうになって本気で焦った。
「……なんてことがあったんだ」
HR前に、アレとあったことを深町と直輝に話した。
「じゃあ、本当にキスなんてしていないんだ」
「頼まれてもしねぇ。キスもそれ以上のことも、アレとするぐらいなら死んだ方がまし」
そこまで言うことはないかもしれないけど、本当に昔から嫌いなんだ。
よくオレの婚約者になれたなと思う。
それも確か、アレの親が押し付けるような感じだったはずだけど。
「逃げたんだよね?じゃあ、和奏だって見ているはず。
何で、キスしたって思ったんだろう?」
深町が首を傾げながら言う。