永遠(とわ)に果てぬ愛



オレは、それを無視して帰ろうとする。



「あ、怜央っ」



語尾にハートマークでもついているんじゃないかってぐらい、甘ったるく言ってくる。



「仕事終わったの?じゃあ、あたしも帰るっ」



抱きつくような勢いで、オレの方へ寄ってきた。

オレは、そっと無視をして歩く。

それに構わず、アレは話しかけてくる。



「もー、あのSPクビにしてよ。あたしの話しを全然聞いてくれないし。妻だって言っているのに」



悔しそうに言っている。

だけど、さっきも思った。誰が、妻だよ。

所詮、自称・婚約者なんだよ。

オレには、あんたと結婚するつもりなんかねぇんだよ。


そう、心の中では毒づきながらも表情は冷静に、無視を続ける。




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