永遠(とわ)に果てぬ愛



「とりあえず、帰ろう。深町も心配しているから」



そっか。

わざわざ莉奈から離れてここへ来たんだっけ。


そう思っていると、怜央は私から離れて手を掴む。



「え?」



ありえないぐらいに自然に手を繋ぐ。

驚いて怜央を見るけど、何?って逆に不思議そうな顔をしている。

首を傾げたかと思えば、すぐに繋いだ手を引いて屋上から出ようとする。



「あ、越智くんっ。ありがとう」



怜央に手を引かれながら、越智くんにお礼を言った。

そのあと、何かを呟いていたけど、私の耳には届かなかった。

ありえないぐらい早い鼓動と、なぜか急いでいる怜央に振り回されていたから。




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