永遠(とわ)に果てぬ愛



もうすぐだ。

もうすぐで、全てが手に入る。


そう思うと、会社へ向かう足が小走りになる。

だけど、世の中そう上手くはいかない。

手に入りそうになったのに、またオレの手からするりと抜けていくんだ。


イヤ、オレがあの女を気にして、帰しておけば良かったんだ。

それでも、この時は他の事を気にしている余裕なんてなかったんだ。

あの女だけじゃなく、全てを堕とせる。

そう思ったら、気持ちが焦っていたんだ。



「怜央さんっ」



会社に着くなり、聡さんが出迎えてくれた。



「社長室で、お待ちです」



そう言われて、聡さんと社長室へ向かう。



「社長、怜央さんをお連れしました」



社長室の前で、ドアをノックして聡さんが言う。




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