永遠(とわ)に果てぬ愛



それどころか、社内でも聡さんのポジションを知る者はごく一部のみ。

それ以外は、一般社員だと思っている。



「さて怜央、これで全て揃った。いつでも堕とすことが出来るが、どうする?」



笑いをやめ、低くそう言う父。

オレは一つ息を吐き、目を閉じる。


ここまで、本当に長かった。

こんなに遅くなるはずじゃなかったけど。

相手もバカではない。

簡単に証拠が見つかるようなヘマはしていなかった。


それでも、評判は悪くなっていたからすぐに見つかると思っていた。

それが、甘かった。

結局、父と聡さんの手を借りてしまった。

聡さんは、ノリノリでやってくれたけど。


長くなるたび、傷つけた。

直輝や深町、悠真にまで迷惑をかけた。

だけど、これでもう堂々と出来る。

罵倒されずにすむ。




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