永遠(とわ)に果てぬ愛



そんな意気揚々として帰ったのに、すぐに意気消沈してしまう。

夜も遅くなっているのに、和奏の姿が見当たらなかった。



「あ、怜央兄、お帰りなさい」



風呂上りなのか、タオルで髪を拭きながら拓海がのんきに言う。



「和奏は?」


「姉さん?部屋にいるんじゃないの?」



そう言われて和奏の部屋に行くが、もぬけの殻。



「あれ?こんな時間にどこへ……って怜央兄、テーブルの上に何かあるよ」



部屋の真ん中の方にあるテーブルの上に、何か乗っているのを拓海が見つけた。

そこには、分厚い封筒と紙切れが置いてあった。

封筒の中身は、札束だった。それも、結構な金額の。

なぜ、こんなものがあるのだろう。




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