永遠(とわ)に果てぬ愛



不思議に思いながら紙切れを開くと、それは和奏の字で書かれた手紙だった。



【色々考えた結果、家を出ます。
ただ、拓海はまだ中学生なのでお願いします。
一緒に置いてあるお金は、乃愛さんへお返し下さい。
乃愛さんとお幸せに。さようなら】



簡素なもので、それだけしか書いていない。

お金がアノ女のモノだとしたら、余計なことしやがって。

もう少しで、上手くいくところなのに。



「怜央兄、何をやったの?」



拓海も手紙を読んだらしく、オレを睨みつけてくる。

ここの姉弟は、物怖じしないなと改めて思う。



「何もしていない……訳はないかもしれない。けど、もう少しで和奏を正式な婚約者に出来るところなんだ」


「どういうこと?」



ここで押し問答している場合じゃないと思い、拓海には全てを話した。

オレの気持ちも含めて。




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