永遠(とわ)に果てぬ愛

*和奏side




幸せな気持ちが、一瞬で堕とされた。

越智くんに言われて、ようやく認めた想い。

その直後に怜央と一緒に帰ることになって、恥ずかしかったけど嬉しかった。

繋いだ手から感じる温もりが幸せだった。


なのに、すぐに私の立場を思い知らされる。

“あんたは、2番目なんだって”そう言われているようで。

家の前にいたあの子の私を見る目は、そうだった。

怜央の会社に行くまでの間柄。

いくら頑張っても、割り込めない2人の距離。

それを見ていたくなくて、逃げるように家の中へ入った。



「私、先に入っています。ごゆっくりどうぞ」



そう言ってはみたものの、声は震えていた。

だから、嫌だったんだ。

怜央への気持ちを認めるのは。

認めないと苦しいと言われたけど、認めても苦しい。

あの子がいる限り、それは変わらない。




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