永遠(とわ)に果てぬ愛



玄関先で崩れ落ちそうになるのをなんとかこらえて、リビングまで行った。

拓海と理央くんは、また出ているらしい。

誰もいなくて静かな空間は、寂しさを増幅させた。

夕飯を作らないといけないのに、外が気になって何も手につかない。


そんな時、勢いよく家のドアが開いた音がした。

それから、間髪を容れずに大きな声が聞こえる。



「和奏っ、今から会社に行ってくるっ」



その声に驚いて、リビングを出る。



「え、今から?」


「ちょっと、急用。先、食べてて」


「あ、うん、分かった。気をつけて」



なんだろう。

焦っているような、緊張しているような声。

何かトラブルでもあったのだろうか。




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