永遠(とわ)に果てぬ愛



腕を組んで話す彼女は、何をしていても偉そうに見える。

それが、お嬢様というものなのか。



「あなた、いつまでここにいるつもりなの?」


「い、いつまでって……卒業までだけど」



そう言うと、あからさまに嫌そうな顔をする。



「卒業までって、あと半年もいるの!?あたしという婚約者がいるのに、図々しいのよ」



この人、どうしても婚約者を強調したいらしい。

何度も言われなくても分かっているのに。

私は邪魔者だって、分かっているのに。



「だいたい、以前言ったじゃない。あなたは利用されているだけだって」



その言葉に、ズキッと胸が痛む。

あなたはそう言うけど、怜央は言わなかった。

あなたとの婚約だって、絶対なモノじゃないと言った。




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