永遠(とわ)に果てぬ愛



最初から最後まで、お金目当てではなかった。

結婚を条件として出されたけど、ただ住む場所が欲しかっただけ。

お金なんて、食費以外でもらっていない。



「でも、付き合っているんでしょう?それも、お金欲しさに脅したんでしょう?」


「違うって言っているでしょっ」



いくら大声で叫んだって、この人にとっては決定事項みたいだった。



「まぁ、庶民があたしたちに憧れを抱くことはあるからねぇ。
お金欲しさでも仕方ないけど」



確かにお金持ちへの憧れはあると思う。

だけど、こいつに憧れるヤツなんていないと思う。



「何でもいいけど、早く出て行ってね。
結婚発表するのに、あなたは邪魔なんだから」



そう言い残して出て行った。

分厚い封筒は、床に置かれたまま。




< 338 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop