永遠(とわ)に果てぬ愛
最初から最後まで、お金目当てではなかった。
結婚を条件として出されたけど、ただ住む場所が欲しかっただけ。
お金なんて、食費以外でもらっていない。
「でも、付き合っているんでしょう?それも、お金欲しさに脅したんでしょう?」
「違うって言っているでしょっ」
いくら大声で叫んだって、この人にとっては決定事項みたいだった。
「まぁ、庶民があたしたちに憧れを抱くことはあるからねぇ。
お金欲しさでも仕方ないけど」
確かにお金持ちへの憧れはあると思う。
だけど、こいつに憧れるヤツなんていないと思う。
「何でもいいけど、早く出て行ってね。
結婚発表するのに、あなたは邪魔なんだから」
そう言い残して出て行った。
分厚い封筒は、床に置かれたまま。