永遠(とわ)に果てぬ愛



私は、その場に崩れ落ちる。

彼女の言い分が全て正しいかなんて分からない。

だけど、正式な婚約者は彼女。

いつか結婚発表はあることだ。


考えれば考えるほど、私の居場所は失われていく。

ここに来た当初なら、何を言われても平気だった。

婚約者がいようが、結婚しようが。

でも、自分の気持ちを認めてしまった今、怜央から結婚なんて聞きたくない。

自分以外の人と結婚するなんて言葉、聞きたくないんだ。

出て行けって言われるのも辛い。

だったら、自分から出て行くべきだろうか。

本当のことを聞かされる前に、自ら離れるべきなんだろうか。



「ただいまー……って、姉さん?
そんなとこに座り込んでどうしたの?」



急に声がして、とっさにお金を隠した。




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