永遠(とわ)に果てぬ愛



「あ、別に、何でもないよ。
ごめん、まだ夕食作っていない」


「分かった。
じゃあ、理央くんと部屋にいるから出来たら呼んで」


「うん、ごめんね」



なんだか不意に泣きたくなった。

拓海の声を聞いたら、安心したのか涙が出そうになった。

だけど、ぐっとこらえて夕食を作った。



怜央がいない夕食は静かだったけど、時折拓海と理央くんが話していた。

私はそれに参加しながらも、頭の中ではさっきのことを考えていた。

片付けの時も変わらなくて、ずっとぐるぐる回っている。

自分がどうすればいいのか分からない。


出て行くにしても、当てがない。

お金もない。

両親の遺産を使う訳にもいかない。

けど、ここにいる訳にもいかない。




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