永遠(とわ)に果てぬ愛



聡さんの顔を見た宝来は、驚きで口が震えていた。

今まで、隠れるようにしていた聡さんが急に口を開いたから驚いたのではない。

聡さんの出現で、言い訳も出来ないことに気づいたのだろう。



「ちょっと、宝来の娘がうるさいようですが、重要発表とは、その宝来グループについてです」


「宝来グループの?何かあったんですか?」



父がはっきり言ったことで、みんながざわつき始める。



「おそらく、みなさんのところでも最近、お金について少しおかしなことがあったと思います」


「そういえば……お金は合わないことが多々ありましたね」


「うちもありました」


「うちも……。無理に合わせましたが」



父の言葉に、他からも同様の声が上がる。




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