永遠(とわ)に果てぬ愛
娘も信じるしかないらしい。
体全体が震えている。
この状況では、誰もアレに手を差し伸べることは出来ない。
もう、オレに助けを求めることは出来ないしな。
あ、違った。
それでも、オレに助けを求める女だった。
涙を溜めた目で、オレに訴えている。
だけど、それを見てオレが助ける訳ないじゃん。
婚約が仕組まれていたものだろうが、オレには関係ないこと。
そうでなくても、いずれは解消していた、いらないもの。
オレが助けたいのは和奏。
結婚したいのも、和奏だけなんだ。
「では、そろそろ連れて行っても構わないでしょうか?」
普通に会議に出ていた中の2人が、宝来の両腕を掴みながら言う。