永遠(とわ)に果てぬ愛
その姿を見て、聡さんは焦るように手を振る。
「怜央さんっ、顔を上げて下さい。そんなたいしたことはしていませんし」
そんな訳がない。
聡さんが集めた証拠があったからこそ、あいつらを堕とすことが出来たんだ。
「怜央は、まだ終わっていないだろう。和奏ちゃんを手に入れないと」
「え?手に入れるって、付き合っていないんですか?」
父の言葉に、聡さんは驚いている。
婚約者は和奏と言っておきながら、まだ心を手に入れた訳じゃない。
だから、正式な発表など出来ない。
それでも、もう邪魔するヤツはいない。
あと半年かけて、ゆっくり手に入れる。
「大丈夫です。もう、誰にも邪魔させませんから」
「まぁ、怜央なら大丈夫だろう」