永遠(とわ)に果てぬ愛
そんな私たちの心配をよそに、お父さんの症状は悪くなっていった。
倒れた時から、1度も意識は戻っていない。
「本当に、危険な状態です。
誰か、大人を呼んで下さい」
そう、先生に告げられた。
だけど、大人なんて誰も呼ぶことが出来なかった。
おそらく、連絡したところで来ないだろう。
それは、両親が駆け落ち同然で結婚したからだ。
お父さんは、老舗の和菓子店の四代目になる人だった。
お母さんは、そのライバル関係にある会社の会長の娘だった。
そんな関係なのに、お互い惹かれ合い、周りの反対を押し切って結婚した。
そのため両親は、それぞれの家から勘当されている。
だから、私たちは誰も頼れない。