永遠(とわ)に果てぬ愛
「私、前にこんなこと言った?」
「……オレんちに来てから、何度も似たようなこと言っているけど」
「違うっ。もっと前……本当に小さい頃に」
私だって確信はない。
いつのものかも分からないし、誰と一緒なのかも分からない。
どこなのかも分からない。
私の記憶にはなかったもののはずなのに、その瞬間だけ鮮明に見えた。
よく分からない私の言葉にため息を一つ吐いた怜央は、そっと私の両手を握った。
それにビクッと体が反応して、体中が熱くなってきた。
「少しずつ記憶が戻ってきているのかもしれない」
「記憶が戻る?」
よく意味が分からない。
記憶が戻るってことは、失っている部分があるということ。
だけど、そんな訳はない。
私の記憶は正常だ。
何も忘れていることはないはず。