永遠(とわ)に果てぬ愛
好きでもないヤツに結婚しようなんて言わない。
ましてや、キスだってする訳もないのに。
何でそんな風に思われていたんだろう。
拒まれないのをいいことに、少し好き勝手やりすぎたのだろうか。
深町の言う通り、婚約を破棄して抑えるものは何もない。
両親の許可だって取っている。
何より、オレの理性は我慢の限界だと思う。
一緒に暮らしていて手を出せないのは、オレにとって拷問だった。
深町からこんなことを聞いた以上、躊躇っている場合じゃない。
自分の気持ちを正直に話して、和奏を手に入れるんだ。
ただ、幼い頃の記憶がないから、その辺は気をつけてしないと。
無理して思い出して欲しいとも思わねぇし。
そうと決まれば、今日はもう帰ろう。
帰って、和奏とゆっくり話そう。
明日は休みだから、どんなに遅くなってもいいし。
キスを拒まれないから、振られることはないと思うけど。