永遠(とわ)に果てぬ愛
「確か、5、6歳ぐらいの時に事故で1ヶ月ぐらい入院していたことがあるらしいの」
「は?1ヶ月?しかも、らしいって何?」
「うーん、実は……私は覚えていないんだよね。入院したことは覚えているんだけど、事故が分かんなくて。気づいた時には、病院のベッドの上だったから」
事故当時を覚えていないのなら尚更か。
毎日逢っていた訳じゃないし、記憶を失っても仕方ないか。
「それにしても、よく無事だったな……」
「まぁ、包帯グルグルだったよ。運強いみたい」
和奏は笑って言うけど、たぶん当時を知っていたらオレは気が気じゃない。
5歳なりに、本気で好きだったんだから。
「事故の記憶もないから、原因はソレ。オレを忘れたのは」
「事故のせいで、怜央のことを忘れたの?でも、確かに5歳以前ってあまり覚えていない」