永遠(とわ)に果てぬ愛
「和奏、今の高校は咲希子さんに勧められたんだろう?」
「そうだけど、何で知っているの?」
意味が分からないみたいで、ずっと首を傾げている。
「だって、オレが頼んだから。和奏をこの高校に入学させて下さいって」
「え?は?」
「オレが理由を言っても渋っていた。その時はなぜか分からなかった。だけど、なんとか聞き入れてもらった。
入学して再会して分かった。和奏に記憶がないから渋っていたんだって。
事故も記憶のことも、教えてくれたのは深町だけど。
「あ、そうなんだ……」
あまりにも一気に話しすぎただろうか。
混乱しているように見える。
話し出してもう、2時間も経っている。
日はとっくに変わっていた。
だけど、もう少しだけ。