永遠(とわ)に果てぬ愛
「うん。病院のベッドの上で目覚めた時からの記憶しかない」
「おばさんもおじさんも、和奏には言わずじまいだったんだ」
お母さんたちが教えてくれたのは、事故にあったことだけ。
内容は何も知らない。
何の事故か、どうしてそうなったのか、何も知らされなかった。
「アタシは、忘れていない。イヤ、忘れられないんだ……」
そう言って、莉奈は食べるのをやめた。
そして、真剣な眼差しで私を見る。
「あの時、アタシとアタシのお母さん、和奏で出かけていたんだ。
最初は、お母さんと2人共手を繋いでいた。
だけど、5歳だよね。じっと掴まれているのが嫌で、手を離した。それで、和奏が先を行き、アタシが追いかけるような形でお母さんよりも先を走り出した。
お母さんが、“危ないから走らないで”って言った時だった。
居眠り運転の車が横断歩道に突っ込んで来たんだ……!」