永遠(とわ)に果てぬ愛
「珍しいな。怜央がそんなに緊張しているなんて」
運転席から、笑い声と共にそんな言葉が聞こえる。
「やっぱり、和奏ちゃん相手じゃ、怜央も普段通りじゃいかないみたいだな」
図星を指されて、言い返すに言い返せなくなった。
確かに、和奏相手じゃ普段通りが出来ない。
社長の息子だから、女に言い寄られることも多かった。
香水たっぷりつけた匂いで惑わすお姉サンが多かった。
そんなことされても、誰1人として欲情はしなかった。
色気も魅力も感じなかった。
ヤりたいとも思えなかった。
そういう相手を追い払うのに、宝来乃愛の存在は利用していたな。
でも、和奏はすぐにオレをその気にさせる。
いつも隣にいて欲しいし、触れていたい。
キスもしたいし、それ以上のことだってしたい。
そんなことを思うのは、和奏が初めてだった。