永遠(とわ)に果てぬ愛
「まぁ、好きな子相手にはそんなもんだ。
怜央も、そういうことを感じるようになったんだな」
感慨深げに言っている。
今まで、女に投げやりだったせいもあるだろう。
「悪いな、父さん。運転手なんてさせて」
「別にいいさ。佐々木を逢わせるのは、まだ早いんだろう?」
何もかも分かったように父さんは言う。
「それに、私はまだまともに挨拶してないからなぁ」
よくよく考えれば、父さんが和奏と逢ったのはパーティの時だけ。
その時、父さんは忙しくて、ほとんど顔を合わせることもなかった。
忙しいはずなのに、自ら運転手を買って出たのはそのためかと納得する。
「怜央、南口に着いたぞ」
「ありがとう。ちょっと待ってて」
父さんにそう言って、車から降りた。