永遠(とわ)に果てぬ愛



「持っていないよ。ちゃんと、運転手がいるよ」



そう言って立ち止まる。

そして、視線を促せば驚いた表情をする。



「え?おじさん……?」



和奏が父さんに向けてそう言うと、父さんは嬉しそうに笑った。



「良かった。和奏ちゃんが、私を知っていてくれて」



パーティの時しか逢っていないから、知らないと言われる可能性もあったからか。



「改めて、怜央の父です。いつも怜央がお世話になっています」


「あ、いえっ、こちらこそお世話になっております」



少しどぎまぎしながら答える和奏。

そんな姿を見て、父親なのに嫉妬してしまう。

それを、父さんも気づいているのだろう。

少し笑っているから。




< 464 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop