永遠(とわ)に果てぬ愛



「さて、行こうか。あまり待たせるのはよくない」



父さんのその言葉で、車に乗り込んだ。

もちろん、オレらは後部席。

オレは嫌がられないのをいいことに、目的地までずっと手を繋いでいた。

少しでも意識してくれたらいいと願いつつ。


結局、一言も話さずに目的地に着いた。



「ありがとうございました」



車を降りて、和奏が父さんにお礼を言った。



「そんな、お礼なんていいよ。
怜央と和奏ちゃんが一緒にいてくれることが、私の幸せだから」


「おい、父さんっ」



何を言っているんだと睨みつけたあと、和奏の手を引いて中へ入った。

ここは、お店ではない。ホテルだ。

それも、セレブが宿泊するような高級ホテル。




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