永遠(とわ)に果てぬ愛
「オレさ、両親は厳しかったけど祖父母に甘やかされていたんだ。だから、生意気なガキだったんだ。
父さんの仕事関係者なんかも、オレにペコペコしていたから勘違いしていた。自分が偉いんだって。
まさか、それを5歳の時、しかも同い年の女の子に指摘されるとは思わなかったんだ」
「え、あ、それって私のことか」
「そうだよ。
あれは、衝撃的だった。あとにも先にも、オレにそう言ったのは和奏だけだから」
「……ごめんなさい。生意気で」
なぜか、和奏が謝っている。
「謝る必要はねぇよ。
和奏の一言があったから、まともに成長したし、本当の意味で会社でも信頼を得られた」
「そうなの?」
「たぶん、生意気なガキのままだったら陰口はたたかれ、誰もついてこないだろうな」
そういう意味でも、和奏には感謝している。
オレの生きる方向を教えてくれたようなものだから。