永遠(とわ)に果てぬ愛
ゆっくりと和奏は手を下ろし、また服を掴む。
「私、条件はのんだけど、おぼっちゃまの気まぐれだと思っていた。怜央の家に住むのは、卒業までの辛抱だからって言い聞かせていた」
深町の言う通りで、ほんとうにそう思っていたのか。
やっぱり、この事実はショックだな。
強引だったのは自覚しているけど。
「だけど……キスを受け入れた状況にも混乱した。越智くんが好きなはずなのに、拒まない自分に驚いた。
極めつけは、宝来乃愛が現れた時だと思う。
それでも、私は認めたくなかった。違うって思いたかった。あの子がいる限り、私は隣にいられないからって」
正直に吐露する想いに、オレの心臓も高鳴ってくる。
そんな中、オレは何も言わずに聞いた。
「あの子と並んでいる姿を見て、何度も泣きたくなった。認めるしかなかった。
家出したのも、あの子が結婚発表するって言ったのを真に受けて、もう傍にはいられないと思って……」