永遠(とわ)に果てぬ愛
だんだん、服を掴んでいる手が震えてきている。
「婚約破棄を知っても、何も言うつもりはなかった。言って関係がギクシャクするのが嫌だったから。
でも、まさか告白されるとは思わなかった……」
最後は呟くような声だったけど、近くにいるからちゃんと聞こえた。
オレはただ、我慢の限界だったから。
一緒に住んでいるのに何も出来ないのは限界だったから。
そう思っていると、和奏は顔を上げて、オレと目を合わせる。
「……私も、怜央が好き、です……」
だけど、やっぱり恥ずかしいのか、言った直後に俯いた。
それでも、はっきり聞こえた言葉。
オレは嬉しくて、力いっぱい和奏を抱きしめた。