永遠(とわ)に果てぬ愛
「だって、婚約者の存在は知っているし。何より、気になるんだもん……」
あの子の存在がなかったら聞かなかったかもしれない。
……イヤ、どちらにしろ気にはなっていると思う。
私の知らない女性が、どこかで出てきていたかもしれないし。
「確かに、社長の息子ってことで言い寄ってくるヤツはたくさんいた」
やっぱりなとショックを受けると、触れるだけのキスをされた。
「だけど、誰1人魅力は感じないし、欲情もしなかった。
相手にするのも面倒だったから、あの女の存在は利用してたな。追い払うのに、婚約者は都合が良かったんだ」
「欲情しなかったって……そういうことも全然しなかったの?」
エロイ怜央が何もしなかったとか、ありえないと思った。
あれだけ手が早いんだから、もう経験済みだと思っている。
「キスは奪われたことがあるけど、それ以上はしたことない。
オレが欲情するのは、和奏だけ。それ以外には反応しないから」