永遠(とわ)に果てぬ愛
それにしても、こういうのって社長自ら司会をするものだろうか。
そう不思議に思っていると、怜央のお母さんに前に出るように促された。
それと同時に、マイク越しに言われる。
『前からお伝えしておりましたが、息子である怜央の正式な婚約発表をしたいと思います』
そう言って、マイクを怜央に渡された。
『父から話しがありました通り、私、天羽怜央は、今隣にいる水城和奏さんと婚約いたしました。
まだ学生の身分なので、結婚は先になります。
まだまだ若い2人ではありますが、2人で精一杯頑張っていきたいと思いますので、皆様よろしくお願いします』
丁寧な挨拶をしたあと、頭を下げた。
それを見て、私も慌てて頭を下げる。
会場からは、温かい拍手が響いた。
「……なんだか、結婚の挨拶みたいだな」
怜央のお父さんが、そんなことを呟いた。