永遠(とわ)に果てぬ愛
この集団の中や会場内には、怜央の言った通り、祖父は見当たらなかった。
宝来乃愛みたいにいつか出てくるんじゃないかと思ったけど、あの子と違ってイイ大人。
これ以上の刺激はマズイと分かっているのだろう。
この集団だって、中には自分の娘を怜央に差し出したいと考えていた人もいただろうな。
自分の利益のために、子供を利用することはあるだろう。
だから、みんながみんな、好意的ではないと思う。
別れを望んでいる人だっているだろう。
もしかしたら、誘惑だってあるかもしれない。
その証拠に、私に敵意を向けている視線がちらほら見える。
社会人になったら、要注意だろうな。
男性集団に囲まれ、無意味な話しをしている大人たちに気づかれないようにため息を吐いた。
「怜央くんっ」
いつもとは違う呼び方で、怜央の名が呼ばれた。