永遠(とわ)に果てぬ愛
「だって、仕事中に言わないと言える時がないし。
いい加減、連絡先教えてくれない?」
「教える必要がありません」
「必要あるよ。俺が和奏ちゃんを口説くためにね」
冷たく言い放つ私に、めげずにウインクで返す。
彼はいわゆる、イケメンと呼ばれる部類に入る。
だから、ここの部署以外でも顔がイイと評判なのだ。
もちろんモテるのだけど、当の本人は私に夢中なのだ。
それを隠しもせず、アプローチしている。
「そんなこと簡単に口にするような人は、好きではありません。
それに、ちゃん付けはやめて下さい」
もちろん、私は本気に取ることもしないし、流されることもない。
「水城さん。連絡先ぐらい、教えてあげてもいいじゃない」
笑いながら他の人に言われる。
ここの部署ほとんどの人が彼の味方なのだ。
私は、その中でも流されずに自分を貫く。
男に連絡先を教えたらどうなるのか。
そんなことで喧嘩はしたくない。
「水城さん、出れますか?」
そんな賑やかな中、コンコンとノック音と同時に声がした。
その声に、みんなが注目する。