永遠(とわ)に果てぬ愛
必ず自分のモノになると信じて、周りから埋めていったらしい。
それに反して、私の心は手に入っていないけど。
当たり前だ。
私の心は、怜央のモノなのだから。
「何も言えず、やきもきしている怜央さんが目に浮かびますね」
私以上に怜央を知り尽くしている。
呆れるように言う佐々木さんの顔は、お父さんにそっくりだった。
「社会人になったら、私が嫉妬ばかりしているんだと思っていました。
まさか、自分が男に追われるとは思わなくて」
「和奏さんは、自分の魅力をもう少し実感した方がいいと思います。
だいたい、林さんだけじゃないでしょう?」
「……そうですね」
佐々木さんの言葉に、ついため息がもれてしまう。
佐々木さんの言う通り、私に言い寄っているのは林さんだけじゃない。
だからと言って、誰かになびくつもりもないけど。
全てに冷たくしているはずなのに、それをなんとも思わず言い寄ってくる。
正直、めんどくさいなぁ。
「とりあえず、その話しは置いておいて下さい。仕事ですよ」
「あ、はい」
私が頷きながら言うと、佐々木さんは目の前の扉をノックした。