永遠(とわ)に果てぬ愛



そんな2人の世界が気にくわなかったらしく、林さんがまた私を引っ張る。

けど、越智くんも掴んだままだったから、林さんの元までは行かなかった。



「悪いけど離してくれるかな?
俺の邪魔はするなと忠告しておいたはずだけど」


「水城が嫌がっているのにですか?
あなたみたいな人に、水城はやれません」



林さんの手から無理やり私を引き離す。

そして、林さんを無視して、私の手を引いて歩き出す。

私が飲んでいた席に連れて行かれると、みんなが驚いていた。



「え?水城さん?」


「は?何で越智くんと?」


「水城、荷物持って帰るよ」



周りの好奇心を無視して、私が荷物を取るとまた歩きだし店を出る。

後ろでは、悲鳴が聞こえていた。



「越智くん、ありがとう」



店から無言で歩き続け、結局家まで送ってもらった。



「水城も大変だね。怜央とのこと言えないばかりに、あんなヤツに言い寄られて」


「嫌がってもお構いなしだからね。正直、めんどくさいよ」



越智くんの言葉に、ため息と共に返す。

だけど、まさか強行手段に出てくるとは思わなかった。



「和奏っ」




< 562 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop