永遠(とわ)に果てぬ愛



そんな話しをしているところに、別の声がしたかと思えば、勢いよく抱きつかれた。



「怜央っ。帰っていたの?」


「僕が連絡したから」



怜央ではなく、越智くんがにっこり笑って答える。



「……本当に悔しいけど、悠真ありがとう。
未遂で良かった……」


「え?……もしかして、話したの?」



越智くんを見ながら聞いた。

未遂って、さっきの状況を知らないと出て来ない言葉。



「怜央に黙っていられる訳がないでしょ」


「何も知らないままは嫌だからな」



越智くんの言葉に同意するように怜央も言う。



「もちろん、私だって黙っているつもりはないよ」



あとであることないこと言われたら嫌だし、なるべく喧嘩はしたくない。



「でも、良かった。何もなくて……」


「私だって、必死で逃げるよ。怜央以外の人とやりたくないもん」



抱きしめている怜央の背中に手を回し、ぎゅっと力を込める。


誰だって、好きな人以外とやりたくないと思う。

私はもう、怜央だけだから。

怜央以外と何したって感じない。

キスを迫られたって、ドキドキもしない。

甘い言葉を囁かれても何も思わない。

私の心が動くのも感じるのも、怜央だけだから。




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