永遠(とわ)に果てぬ愛

②四六時中、巡る想い*怜央side




オレにとっては、予想外のことだった。



「今年の新入社員の中の水城和奏には手を出さないように。俺が狙っているから」



それは、入社して2ヶ月が過ぎた頃だった。

他の部署の人みたいで、名前も知らないヤツに堂々と和奏を口説くと宣言された。

オレたちの関係は、一般社員には知られていないから仕方ないとは思うけど。



「あの人、誰ですか?」



同じ部署の先輩に、アノ男について聞いてみた。



「水城さんと同じ部署で、林さんって言うんだ」



よりによって、和奏と同じ部署かよ。

林サンね、覚えておかないと。



「あ、アイツには逆らわない方がいいよ」


「何でですか?」


「アイツ、自分に逆らったヤツを辞めさせたことがあるって噂があるんだよ」



その先輩は、急に声をひそめて言う。

よほど聞かれてはまずい話しらしい。



「そんなに権限がある人なんですか?」


「イヤ、役職はないし、自分から退職しているんだ。けど、アイツが何かをやったって噂が回っている。それも、1度や2度じゃない」



それだけ噂が回っているなら、何かあったようだけどオレは知らない話しだ。

ちょっと、調べてみる必要はありそうだな。




< 564 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop