永遠(とわ)に果てぬ愛
②四六時中、巡る想い*怜央side
オレにとっては、予想外のことだった。
「今年の新入社員の中の水城和奏には手を出さないように。俺が狙っているから」
それは、入社して2ヶ月が過ぎた頃だった。
他の部署の人みたいで、名前も知らないヤツに堂々と和奏を口説くと宣言された。
オレたちの関係は、一般社員には知られていないから仕方ないとは思うけど。
「あの人、誰ですか?」
同じ部署の先輩に、アノ男について聞いてみた。
「水城さんと同じ部署で、林さんって言うんだ」
よりによって、和奏と同じ部署かよ。
林サンね、覚えておかないと。
「あ、アイツには逆らわない方がいいよ」
「何でですか?」
「アイツ、自分に逆らったヤツを辞めさせたことがあるって噂があるんだよ」
その先輩は、急に声をひそめて言う。
よほど聞かれてはまずい話しらしい。
「そんなに権限がある人なんですか?」
「イヤ、役職はないし、自分から退職しているんだ。けど、アイツが何かをやったって噂が回っている。それも、1度や2度じゃない」
それだけ噂が回っているなら、何かあったようだけどオレは知らない話しだ。
ちょっと、調べてみる必要はありそうだな。