永遠(とわ)に果てぬ愛
「水城さんも気の毒だな。アイツに目をつけられるなんて」
「……アレ、本気なんですか?」
「本気かどうかの判断は出来ない。
ただ、欲しいモノはなんとしてでも手に入れるヤツだから。多少、無理をしてでも」
要注意人物に危険人物か。
顔がイイだけで、中身は全然ってところか。
「清水、水城さんと同期だろう?気をつけるように言っておいた方がいいよ」
「あ、分かりました」
清水とは、オレのこと。
ちなみに、母親の旧姓だ。
天羽と名乗るとすぐに正体がバレそうだから、会社では清水と名乗っている。
自力で社長の元まで這い上がりたいから、父さんにお願いしたことだった。
和奏とのことだって、贔屓とか言われたくないから黙っている。
なのに、変なヤツに目をつけられるとは。
それから1年半、和奏はずっと林サンに言い寄られている。
いつ強行手段に出るかと思っていたけど、今のところ何もなかった。
1年半もの間静かなのは、不気味だと先輩は言っていたけど。
和奏は冷たくしているのに、諦めようとはしない。
意地になっているのか。
だけど、心配は現実のモノとなる。
《水城が襲われていた。寸前で助けたから未遂。今から送るから、怜央も家に帰って》