永遠(とわ)に果てぬ愛
そう来たのは、和奏が部署の人と飲みに行った時だった。
林サンも一緒だったから気が気じゃなかったけど、とうとう強行手段を取ったらしい。
そこを、悠真に助けられたらしい。
よほど危なかったんだ。
その役は、オレがやりたかった。
だけど、会社の人がいる前で付き合いがバレるようなことは出来ない。
「オレが助けに行けなくてごめんな」
本当に、彼氏なのに情けないと思ってしまう。
オレが1番に駆けつけたいのに。
「仕方ないよ。秘密にしていることだし。
私は、こうやって抱きしめてもらえるだけでさっきのこと忘れちゃうから」
にっこり笑って、照れたように言う和奏。
付き合って1年半以上経つのに、初々しさは変わらない。
可愛さも愛しさも変わらない。
そんな愛しい和奏を表立って助けることは出来ないけど、裏から助けることは出来る。
まずは、林サンについての情報収集として、逆らったヤツを辞めさせたっていう噂の真偽についてだ。
でも、オレが動ける訳じゃないから、父さんに言って聡さんにお願いしよう。
強行手段に出てきたということは、和奏が危ないということ。
もう、なりふり構っていられる状況じゃないらしい。