永遠(とわ)に果てぬ愛
③オレのすべてを賭けても*怜央side
2人で出勤するようになってから、出来るだけ帰りも一緒に帰るようになった。
連絡を取り合って、オレが和奏を迎えに行く。
林サンに見せつけるためだ。
昼も、何もなければ一緒に食べた。
そのため、社内に噂が回るのは早かった。
林サンは、初日こそ様子見なのかオレについては何も言わなかったらしい。
ただ次の日になると、急に彼氏についてを和奏に聞きまくったみたいだ。
それを不審に思って、ある程度流したと。
何かを見極めたのだろうか。
和奏の部署に顔を出すと、オレに対しても反応を見せるようになった。
睨みつけるのはもちろんのこと、後輩だろうか。
男性社員とコソコソ何かを話している。
オレをちらちら見ながらだから、何かを企んでいそうな感じだ。
「和奏ー、帰れるか?」
お互い残業したあとに、和奏の部署に迎えに行った。
いつものことだから、オレが現れても誰も何も言わない。
林サンに協力的だった女性社員も、口を閉ざしている。
「あ、帰れるよ。今、パソコン切るから」
手を上げてそう答える和奏を見ながら、チラリと林サンを視界に写す。
今日もまた、男性社員と話している。