永遠(とわ)に果てぬ愛
「そういえば、最近林サンとよくいる男って誰?」
林サンの動向を探るために、一緒にいる男について聞いてみた。
「え?あーあの人ね。今年の新入社員だよ。
あの男に気に入られたみたいで、腰巾着状態。あの2人、本来はライバル同士なのにおかしな話しだよねー」
「あー、その新入社員も和奏が好きなんだ」
ある意味、度胸があるな。
怖いもの知らずだからか。
だけど、何も知らないから利用しがいがあるのか。
「その人がどうかしたの?」
「最近オレが行くと、林サンとそいつがコソコソ話しているんだ。不穏な空気が漂っているんだよ」
「えー、何かよからぬことを考えているのかな。
……怜央に危害を加えるとか?」
不安そうに和奏の瞳が揺れる。
「その可能性もあるな」
イヤ、その可能性しかないだろう。
和奏には危害を加えないはずだ。
和奏にやることは、無理やり犯すことだろう。
だけど、和奏に手を出すよりオレを陥れることを選ぶはずだ。
そのあとで、ゆっくりと和奏を手に入れようとするはずだ。
「その可能性もあるなって、悠長だなぁ。危ないかもしれないのにっ」