永遠(とわ)に果てぬ愛



「大丈夫だよ。聡さんも動いているから」


「叔父さんも?なら、安心……かな」



同棲するようになってから、聡さんの秘書以外の仕事のことも教えた。

宝来のことも詳しく話した。

今後、必要になることもあるだろうと思って。



「林サンには、よくない噂があるからな。念のために聡さんに動いてもらったんだ」



そう言って、オレが先輩から聞いていたことを話した。



「……あの人ならやりそう。本性は、凄い口が悪かったし」



お互い、林サンに対する危険度は一致した。

オレ以上に、和奏は同じ部署で、その中には助けてくれる人もいない。

だから、今まで以上に気を付けること。

それを確認したんだ。

いつ動くか、どう動くか分からないから。


だけど、徐々に林サンの正体が見えてきたんだ。



『怜央さん、林彰宏は宝来事件の関係者みたいです』


「え、本当ですか?」



そう聞いたのは休日の昼間、オレが家で1人でいる時だった。

和奏は、深町と出かけていた。



『それも、自ら進んで協力していた方です』


「それは、厄介ですね……」


『そして、バレそうになれば責任を他の人に押し付けています。その結果、自主退職になって、林は生き残っているという訳です』




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