永遠(とわ)に果てぬ愛



「え?父さんが見過ごす訳がないと思いますが」


『それが、社長まで話しがいっていないんです。
不祥事だからか、部署内で消化されたみたいです』


「それで、表に出ていないんですね……」



ずいぶん大きなことなのに誰も知らないなんて、と思ったけど部署内で留められたらこっちはお手上げだな。

宝来事件の時だって、林彰宏の名前はどこにもなかったし。

だけど、誰も真実を探ろうとしなかったせいで、無実の罪で追い出された人がいるのも事実だ。

そんなこと、本来は許されない。

今回、徹底的に調べて証拠を掴まなくては。



『次のターゲットは、思っていた通り怜央さんです。
何をするか分かりませんが、今まで同様に陥れるはずです』


「まぁ、今の彼にとって、オレが1番の邪魔者ですからね」


『イヤ、1番の邪魔者は林彰宏ですよ』



聡さんもはっきり言う人だ。

つい笑ってしまう。

でも、そういう人じゃないとこの仕事は勤まらないだろう。



『とにかく、私も林彰宏の動向は見ておきます。怜央さんも気を付けて下さい』


「分かりました。ありがとうございます」



そこで電話を切った。




< 580 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop